日本口蓋裂学会雑誌
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口唇裂口蓋裂を出生前診断された妊婦に対する治療側からの支援
出生前情報提供の体制作り
中新 美保子森口 隆彦岡 博昭佐藤 康守三村 邦子
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2006 年 31 巻 3 号 p. 285-292

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抄録

我々は,口唇裂口蓋裂の出生前告知を受けた妊婦が安心して出産を迎えるための治療側からの支援体制作りを目的として,実態調査を行った.
調査対象は,同意の得られた出生前告知を受けた母親12名と告知した産科医6名であった.出生前告知を受けた妊婦に対する治療側からの支援体制の有無と治療側の支援として必要な事柄について一人30分~1時間程度の半構二成面接を行い,KJ法により分析した.
治療側からの支援体制について「有り」と回答したのは,母親4名と産科医1名であった.「なし」は母親8名と産科医5名であった.
母親が望む治療側の支援内容として,【医学的内容の説明】【療育についての説明】および【継続支援】を取り上げた.この3つの支援を実践するためには,「口唇裂口蓋裂の出生前情報提供」が必要であると考え,口唇裂口蓋裂専門外来医師と看護師を中心とした支援体制を提案した.

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© 一般社団法人 日本口蓋裂学会
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