抄録
脳卒中急性期における偽痛風の合併頻度と臨床像について検討した.(1)脳卒中患者181例中10例が偽痛風を合併した.脳卒中以外の患者とくらべて有意に発症率が高かった.(2)年齢は平均82歳,脳卒中発症から偽痛風発症までの日数は3∼31日(中央値5.5日)であった.(3)罹患関節は,膝6例,手首5例,肩,肘,環軸椎(crowned dens syndrome)がそれぞれ2例,足首1例であった.(4)安静度がベッド上またはベッドサイドの期間に,全例が麻痺側または環軸椎に生じた.(5)全例でCRP高値をみとめた.急性期脳卒中患者の合併症として,偽痛風を認識する必要がある.