臨床神経学
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総説
プリオン病―本邦の特徴と診断のポイント―
三條 伸夫水澤 英洋
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2010 年 50 巻 5 号 p. 287-300

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抄録

プリオン病は正常プリオン蛋白が伝播性を有する異常プリオン蛋白に変化し蓄積することにより発症する.孤発性,遺伝性,獲得性の3種類があり,本邦では1999年からの約10年間のサーベイランス調査で1,320名の患者が確認され,硬膜移植CJD例が多いことや遺伝性CJDで本邦に特異的な変異例が多いなどの特徴がある.孤発性古典型では急速進行性の認知症,四肢のミオクローヌス,MRI拡散強調画像で大脳皮質と基底核の高信号,脳波でPSDなどの特徴的な所見をみとめるが,非典型例も少なくない.臨床症状,髄液検査,遺伝子検索により的確な診断をくだすことが,病態の解明,二次感染予防,心理サポートにおいて重要である.

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© 2010 日本神経学会
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