臨床神経学
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症例報告
けいれん様不随意運動の発現に基底核の関与が示唆されたconvulsive syncopeの1例
村原 貴史高屋 成利山口 大介田中 智洋福山 秀直池田 昭夫高橋 良輔
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2011 年 51 巻 5 号 p. 338-344

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抄録

起立時にけいれん様不随意運動と軽度の意識減損を呈する症例で症状出現時の脳波および脳血流SPECTによる脳血流変化を検討した.患者は純粋自律神経不全の74歳男性.「起立時にけいれんがおこる」との主訴で来院した.臥位から座位や立位になって約1分後より,起立性低血圧にともなう意識減損と両上下肢(右優位)と体幹のけいれん様不随意運動が10~30秒程度持続した.不随意運動出現時には,脳波はびまん性に徐波化し,脳血流SPECTでは臥位安静時にくらべて左基底核,両側前頭葉および右小脳半球の血流低下をみとめた.本症例におけるけいれん様不随意運動の発現に関して,基底核の機能低下が関与している可能性が示唆された.

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© 2011 日本神経学会
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