臨床神経学
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症例報告
両側性味覚障害を呈した右視床梗塞の 1 例
小河 秀郎山川 勇中島 敦史山田 衆
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2013 年 53 巻 1 号 p. 24-28

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抄録

症例は 58 歳男性である.2006 年 3 月某日13 時頃,左半身脱力感を自覚.症状増悪のため同日17 時に脳梗塞の診断にて当院入院.入院時,顔面をふくむ左半身不全麻痺をみとめたが感覚障害はみとめず.頭部MRI で右視床内側腹側に拡散強調画像高信号域をみとめた.点滴加療にて麻痺は入院 3 日目にほぼ消失.経口摂取を開始したところ,まったく味がわからないとの訴えあり,入院 5 日目に味覚検査を施行.両側で高度味覚障害をみとめたが,徐々に改善し入院 15 日目には症状消失した.右視床梗塞にともなう両側性味覚障害の報告は,われわれのしらべたところ2 例目であり,味覚中枢伝導路を考える上で貴重な症例と考えられた.

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© 2013 日本神経学会
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