2013 年 53 巻 1 号 p. 29-32
われわれはチャットを利用した IT ネットワークを構築し,病院―在宅間連携により在宅診療をおこなった筋萎縮性側索硬化症患者の 1 例を経験した.IT ネットワークは病院と在宅診療に携わるスタッフが,福井大学医学部附属病院に設置されたチャットサーバーに携帯電話やパソコンを通じて診療内容を記載する形で運用された.51 日間の運用中に 118 件の情報発信がおこなわれ,すべてのスタッフが記載情報を閲覧できた.病院スタッフは在宅スタッフの質問に返信を送ることで,在宅診療を支援した.IT ネットワークの活用により,在宅診療における神経内科専門医の貢献度が高まる可能性が示唆された.