臨床神経学
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4 iPS細胞研究の現状と展望
iPS細胞をもちいたALSの病態解析
江川 斉宏井上 治久
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2013 年 53 巻 11 号 p. 1020-1022

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抄録
われわれは,transactive response DNA binding protein 43 kDa(TDP-43)遺伝子変異を有する家族性筋萎縮性側索硬化症(familial amyotrophic lateral sclerosis; FALS)患者由来の人工多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell; iPS細胞)を樹立し,それらから分化誘導した運動ニューロンをもちいてALSの病態解析をおこなった.FALS由来iPS細胞の運動ニューロン分化能は正常であり,神経細胞へ分化後,TDP-43タンパク質は生化学的に不溶性を獲得していた.純化したFALS運動ニューロンでは,神経細胞骨格関連の遺伝子が低下し,神経突起が短縮していた.さらに,酸化ストレスに対する脆弱性をみとめ,アナカルジン酸投与によりこれらの表現型は改善した.iPS細胞由来の運動ニューロンをもちいて,ALSの新規治療薬シーズの発見が期待できる.
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© 2013 日本神経学会
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