2013 年 53 巻 11 号 p. 986-988
心房細動では左房内の血液うっ滞にともない時間依存的に血栓が形成されるが,その頻度は心内膜機能に大きく影響される.そこで塞栓症の予防にはまずCHADS2に代表される生活習慣病の改善が重要で,次にAFの予防があげられる.1次的には高血圧の治療,2次的にはカテーテルアブレーションによる根治療法が有力であるが,それらが不十分なばあいには抗凝固療法に頼らざるをえない.塞栓症リスクが少しでもあれば適応と考えられるが,そこではAFの早期診断,AFの持続時間の確認,さらには出血性合併症のリスク評価なども重要で,薬剤としては脳出血の合併リスクがワルファリンよりも少ない新規抗凝固薬が第一選択となる.