臨床神経学
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2 心房細動に伴う心原性脳塞栓症の予防
ワルファリンと新規抗凝固薬をどのように使い分けるか
内山 真一郎
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2013 年 53 巻 11 号 p. 994-996

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抄録

ワルファリンは血液凝固モニター,ビタミンK摂取制限,他剤との相互作用などの使いにくさがあるが,新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant; NOAC)は血液凝固モニターやビタミンK摂取制限の必要がなく,他剤との相互作用も少ないので,多忙な患者や遠方の患者,納豆や緑黄色野菜を制限したくない患者,併用薬が多い患者にはNOACが推奨される.ワルファリン投与例でTTR(time in therapeutic range)が低い患者にはNOACへの切りかえが推奨されるが,INR(international normalized ratio)が安定している患者ではNOACに変更する必要はない.NOACはワルファリンよりはるかに高価なので,経済負担が困難な患者にはワルファリンが推奨される.低リスクの患者や抗凝固薬の服薬歴がない患者では脳出血のリスクが少ないNOACが推奨される.

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© 2013 日本神経学会
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