臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
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原著
成人後に診断された有機酸・脂肪酸代謝異常症の臨床的検討
山田 健治長谷川 有紀吉川 陽子高橋 知男小林 弘典虫本 雄一Jamiyan Purevsuren山口 清次
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2013 年 53 巻 3 号 p. 191-195

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抄録

成人後に発症する先天代謝異常症(inborn errors of metabolism, IEM)はまれと考えられているが,詳細は不明である.2001年から2010年に当科で,成人後に診断されたIEMについて臨床経過や予後を検討した.IEMと診断した386例のうち24例が成人後に診断された.そのうち成人期の発症例は15例あった.疾患の内訳はアルカプトン尿症11例,その他の有機酸代謝異常症6例,尿素サイクル異常症4例,脂肪酸代謝異常症3例であった.IEMの成人例はまれであるが,発症時期にかかわらず,診断の遅れが患者QOLの低下に繋がる.原因不明の発達遅滞や退行例などでは,成人であってもIEMを念頭においた検索が必要である.

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© 2013 日本神経学会
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