抄録
症例は65歳の女性である.4年前に好酸球増加と末梢神経障害が出現しChurg-Strauss症候群と診断.プレドニゾロン5 mg/日の維持療法中に気管支喘息の悪化,ふらつき,左上下肢の脱力が出現した.頭部MRI拡散強調画像で両側後頭葉の皮質,血管領域境界となる分水嶺領域に多発性脳梗塞をみとめ,好酸球増加(13,730/μl)と凝固能亢進,さらに腎機能障害と肺障害をみとめた.ステロイド薬の増量により好酸球数は正常化し,神経症状をふくめた全身状態は改善した.本例ではChurg-Strauss症候群の疾患活動性上昇に加えて好酸球増多による凝固能亢進状態を招いたことが多発性脳梗塞の原因になったと考えられた.