2015 年 55 巻 11 号 p. 797-803
神経関連アミロイドーシスはとりわけこの10年の間に治療の道が開けてきた.ALアミロイドーシス,AAアミロイドーシスではそれぞれ新規化学療法剤やIL6レセプター抗体による治療が奏功している.遺伝性アミロイドーシスの中で最も患者数の多いトランスサイレチン(transthyretin; TTR)型家族性アミロイドポリニューロパチー(familial amyloidotic polyneuropathy; FAP)は,肝移植,TTR4量体安定化剤,gene silencing剤と次々に治療法が開発され,根治目前の状態が拓かれつつある.神経関連アミロイドーシスとしては,ALアミロイドーシス,AAアミロイドーシス,透析関連アミロイドーシス,FAP,老人性全身性アミロイドーシス(senile systemic amyloidosis; SSA),脳限局アミロイドーシスとしてアルツハイマー病,プリオン病などがあげられるが本稿では全身性アミロイドーシスに絞ってそれらの診断・病態・治療について述べる.