臨床神経学
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症例報告
全身痙攣で発症し,頭部MRIが診断に有用であったリウマチ性髄膜炎の1例
山下 和哉寺崎 泰和坂口 学中辻 裕司吉崎 和幸望月 秀樹
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2015 年 55 巻 12 号 p. 926-931

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抄録

症例は65歳の女性である.47歳時に関節リウマチと診断され,内服治療により良好にコントロールされていたが,今回全身痙攣を発症した.頭部MRI FLAIR画像にて左前頭頭頂葉のくも膜下腔に高信号をみとめたため,くも膜下出血が疑われ経過観察となった.1か月後に右下腿から拡大する感覚障害と右不全麻痺が出現し,頭部MRIでは病変の拡大,ガドリニウム造影T1WIで軟膜の増強効果をみとめた.リウマチ性髄膜炎と診断し,ステロイドパルス療法により症状と画像所見の改善が得られた.リウマチ性髄膜炎はまれではあるが,MRIが診断に有用であり,特徴的な画像所見から本症を疑うことが重要である.

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© 2015 日本神経学会
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