臨床神経学
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症例報告
認知機能障害と不随意運動を呈し,治療で改善したCryptococcus neoformans髄膜脳炎の1例
井汲 一尋横井 克典安藤 哲朗
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電子付録

2016 年 56 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

症例は72歳女性である.2型糖尿病で通院治療中であった.7年前に左肺多発結節影があり精査するも診断に至らず経過観察で縮小した.その後呼吸器症状もなく安定していたが,5ヶ月の経過で認知機能障害と歩行障害が進行し入院し,クリプトコッカス髄膜脳炎と診断された.両足趾右優位にアテトーシス様の不随意運動を認めた.不随意運動はpainful legs and moving toesに極めて類似していたが,疼痛は全くなかった.クリプトコッカス髄膜脳炎で認知機能障害,不随意運動の改善過程を観察した報告は稀であり,貴重な症例であると考えられたため報告する.

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© 2016 日本神経学会
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