臨床神経学
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症例報告
5-fluorouracilとメトロニダゾールの併用にて急速進行性の白質脳症を呈した1例
福本 竜也片多 史明佐藤 進柴山 秀博村山 繁雄福武 敏夫
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2018 年 58 巻 2 号 p. 118-123

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抄録

症例は66歳女性である.直腸癌にFOLFOX療法(folinic acid,fluorouracil,oxaliplatinの3剤併用)開始(第1日目)後,骨盤内膿瘍を発症しピペラシリン/タゾバクタムが投与された.第14日目にセフトリアキソンとメトロニダゾールに変更し,同日,視野障害を認めた.頭部MRIで脳梁膨大部に病変を認め,メトロニダゾール脳症を疑い,同薬剤を中止した(総投与量2 g).しかし数日で昏睡に至り,第26日目の頭部MRIで大脳,小脳,脳幹に拡がる白質病変を認め,第37日目に死亡した.病理では,髄鞘染色性の低下,空砲化が著明で,中毒性変化と考えられた.5-fluorouracil(5-FU)は第1日目のみの投与であるが,メトロニダゾールとの併用が発症に関係した可能性があり,注意が必要と考え報告する.

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© 2018 日本神経学会
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