臨床神経学
Online ISSN : 1882-0654
Print ISSN : 0009-918X
ISSN-L : 0009-918X
症例報告
ムンプス髄膜炎を契機にshort lasting unilateral neuroralgiform headache attack with conjunctival injection and tearingが顕在化した一次性穿刺様頭痛患者の1例
垂髪 祐樹佐藤 健太
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 58 巻 3 号 p. 178-181

詳細
抄録

症例は32歳男性.16歳から数秒持続する左眼窩部から側頭部に刺し込むような軽度の痛みが間欠的に生じる一次性穿刺様頭痛の既往があった.32歳時,ムンプス髄膜炎に罹患し入院した.入院2日目に充血,流涙を伴う刺し込まれる耐えがたい痛みが左眼窩部から側頭部にかけて出現した.痛みの持続時間は数秒程度で,間欠期も数秒から1分程度と短かった.三叉神経・自律神経性頭痛を疑いnon-steroidal anti-inflammatory drugs(NSAIDs),酸素投与,スマトリプタンと投与したが改善なく,リドカイン点滴持続静注を開始後にすみやかに改善したため,short lasting unilateral neuroralgiform headache attack with conjunctival injection and tearing(SUNCT)と診断した.一次穿刺様頭痛を既往に持つ患者がムンプス髄膜炎を契機にSUNCTに罹患した貴重な症例である.

著者関連情報
© 2018 日本神経学会
前の記事 次の記事
feedback
Top