2019 年 59 巻 10 号 p. 641-645
帯状疱疹(herpes zoster; HZ)関連ギラン・バレー症候群疑い例で,HZ皮疹とほぼ同時期に発症し,varicella-zoster virus(VZV)の関与が考えられる右優位の多発根神経炎を報告した.症例は間質性肺炎に対しプレドニゾロンを長期内服中の76歳女性例で,急性上行性四肢運動麻痺を呈し,右C7~Th1領域に皮疹が出現した.髄液細胞増加を認め,血清および髄液VZV抗体価の高値が遷延した.F波潜時の遅延とMRIにおけるC7~Th1,L4~S2神経根の造影効果からは多発性の神経根病変が示唆された.