臨床神経学
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症例報告
AP5Z1遺伝子に新規変異を認めたspastic paraplegia 48の1例
丸田 恭子安藤 匡宏大友 孝信髙嶋 博
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2020 年 60 巻 8 号 p. 543-548

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抄録

59歳,女性.兄に類似の歩行障害がみられた.47歳時に左下肢をひきずると指摘され,48歳から歩行障害を自覚,50歳時にすり足歩行になった.52歳から両下肢や手指の有痛性れん縮を生じた.神経学的に知能は正常で,両下肢の筋力は中等度低下し著明な痙性を認めた.頭部MRIでは脳梁菲薄化と,FLAIRで側脳室周囲白質に高信号がみられた.以上から遺伝性痙性対麻痺と診断した.adaptor-related protein complex 5 subunit zeta 1(AP5Z1)遺伝子に新規変異(c.1662_1672del;p.Q554Hfs*15)をホモ接合性に,家族はヘテロ接合性に認めた.Spastic paraplegia 48は稀で報告例が少なく臨床像と病態について検討した.

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© 2020 日本神経学会
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