日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p2-024
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ポスター発表
ヒトは社会的因果関係をどのように見ているのか
*守田 知代森戸 勇介久保 佳弥子定藤 規弘板倉 昭二
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キーワード: 乳児, 眼球運動, 社会的因果
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抄録

ヒトは生後3ヶ月から社会的因果関係を示す2つのボールの動きに対して感受性を持っており(Rochat et al., 1997)、さらに生後9ヶ月頃にはそれら2つのボールの役割を認識できるようになると考えられている(Rochat et al., 2004)。生後5・9ヶ月の乳児および成人を対象として、追跡関係を示して動く2つのボール、無関係に動く2つのボールを見ているときの眼球の動きを視線計測装置(NAC社製)によって計測し、グループ間における視線パターンの違いを分析した。その結果、5ヶ月の乳児は、追跡されるボールに比べて追跡するボールを2倍程度長く注視していた。9ヶ月児でも同様の傾向が見られた。ところが、成人では、反対に追跡されるボールを2倍程度長く注視するという結果が得られた。成人のような視線パターンには、社会的因果関係を認識する以外の認知能力が関わっている可能性がある。

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© 2007 日本認知心理学会
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