抄録
変化検出課題において,変化した位置や特徴を捉えることは質的に異なるメカニズムによるものであることが示唆されている (Wilkin, & Mattingley, 2000).視覚探索型刺激布置における変化検出課題において,色矩形を刺激として用いた場合には変化位置検出と変化特徴検出との間にパフォーマンスの差はみられないが(大崎・川畑, 2005),ガボールパッチを刺激として用いた場合には両者のパフォーマンスの間に違いがみられている (Watanabe, 2003).本研究では,ガボールパッチが円環状に布置された変化検出課題において,その要素数および方位変化量を変数とし,変化位置検出と変化特徴検出の特性を検討した.その結果,位置検出と特徴検出ともに,方位変化量に比例して線形的に正答率が上昇することが示された.また,位置検出の方が特徴検出よりも変化検出の感度が高いということが示唆された.