日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: o1B-7
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口頭発表
エラー反復現象と注意
複数目標維持の効果
*原田 悦子須藤 智
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抄録

高齢者のIT機器利用時に特異な現象であるエラー反復をとりあげ,漢字選択課題実験により現象発生要因を検討した.若年成人(実験1)ならびに高齢者(実験3)の結果から「誤った漢字表記を選択する」誤回答条件ではエラー率は上昇するがエラー反復は生じなかったが,正回答試行と誤回答試行が3回ごとに替わる課題切替条件では両群ともエラー反復を示した(実験2,4) ことから,単なる課題複雑性による作業負荷ではなく,「複数の目標が作業記憶内に維持される」作業負荷がエラー反復現象の必要条件であることが示された.さらにAIST版課題切替作業テストでの高齢者536名のサンプルから,高成績群(12名)/低群(16名)を抽出,比較実験を行ったところ,低群の方がエラー反復の生起確率がより高かった.なぜ高齢者のIT機器使用時に複数目標維持の負荷が増大するのかを検討し,デザイン改善案を考察する.

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© 2007 日本認知心理学会
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