Marsh, McDermott, & Roediger (2004) の実験1において,想起時に起こる意味的な活性化が虚再認の生起に影響を及ぼす可能性を示した.しかしながら,彼らの結果では,再認時における未学習関連語の再認率が高くはなかった.そのため,それらの関連語自体が活性化していたとは考えにくい.したがって,虚再認はその関連語自体が活性化していなくても生起する可能性があると考えられる.これにより,関連語の活性化が顕在的な場合と潜在的な場合とが存在すると考えられる.本研究では,関連語の符号化を顕在的に行なう条件と潜在的に行う条件を設けて,虚再認の生起に違いが生じるのかを検討した.