日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: o2B-1
会議情報

口頭発表
顔文字の表示形態がメールの印象評定・感情に与える影響
*荒川 歩
著者情報
キーワード: 顔文字, 言語処理, 感情
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

 メールに付与された顔文字のフォント(明朝体・ゴシック体)が変わる、あるいは、途中で改行される、という事態が、メールの印象評定および感情変化にどのような影響があるのかについて調査した。大学生(141名)が質問紙調査に参加した。実験参加者は、それぞれのスクリプト下における感情状態を報告し、その後、顔文字を付与されたメッセージを読んだ後に再び感情状態を報告した。その結果、メールの印象については、フォントの種類や改行の影響を受けなかったにもかかわらず、不安の感情状態時には、明朝体の顔文字のほうが、ゴシック体の顔文字および明朝体でも改行が含まれる顔文字に比べて、より大きく不安を低減することが示された。この結果は、(1)印象のレベルにおいては、顔文字がイメージではなく記号であること、(2)感情のレベルにおいては、顔文字は単なる記号ではなくイメージであること、を示す。

著者関連情報
© 2007 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top