日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: o4A-5
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口頭発表
エピソード記憶の検索プロセスにおける感覚情報の再活性化の検討
*上野 大介増本 康平岩木 直須谷 康一藤田 綾子
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抄録

感覚情報の再活性化とは、符号化時に活動した感覚情報を処理する脳部位が、感覚情報が呈示されない検索時にも活動する現象をさす。これまで聴覚情報と視覚情報を伴った記憶の検索時には、それぞれ聴覚野と紡錘状回で再活性化がみられることが報告されている。しかしながら、再活性化が検索プロセスのどの段階で起こるのかについてはほとんど検討されていない。そこで本研究では、時間分解能に優れた脳磁図を用い、再活性化の時間的ダイナミクスを検討した。9名の右利き健常若年者を対象とし、単語と単語に関連する音を対呈示する聴覚条件、単語と単語を描写する写真を対呈示する視覚条件、単語のみを呈示する文字条件の3条件で単語の記銘を求め、音や写真を呈示しない単語の再認課題時の脳活動を計測し、条件間で比較した。その結果、聴覚条件では左の聴覚野に、視覚条件では右の紡錘状回に再認単語呈示後約450-550msの潜時で再活性化がみられた。

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© 2007 日本認知心理学会
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