本発表では、1から9までの数字をランダムに配列したランダム数字列の反復学習と再認に関する2実験の結果を報告する。いずれの実験でも、被験者は、1数字ずつ提示されるランダム数字列を記銘し、直後に提示される3桁のテスト数字列に対する再認判断を行った。一部の数字列は 6、12、または24試行おきに4回提示された。その他の数字列は反復されなかった。実験1では、学習時の数字の持続時間が600ミリ秒であり、反復間隔が24試行の場合に、第3回目の提示においてヒット率が著しい低下を示した。実験2で、数字の提示時間を200ミリ秒としたところ、いずれの提示回においてもヒット率の欠損は認められなかった。これらの結果は、先行する数字列の学習から現在までに経過する特定の時間条件において再認の欠損が発生することを示唆している。