日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-012
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ポスター発表
意味的自己知識と自伝的自己知識の連結が感情制御に及ぼす影響
*青林 唯
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抄録

意味的自己知識と自伝的自己知識の関係は独立であるとも依存的であるとも言われている。では、この両者の関係は日常的な場面でどのように作用するのだろうか。本研究では認知行動理論から両者の関係が強い場合、特に感情制御能力が低い人には日常的な不適応が高くなると予測した。課題促進パラダイムを用いて自伝的自己知識と意味的自己知識の関係性を測定した。また、行動統制尺度を用いて感情制御能力を自己報告により測定した。日常適応として、主観的幸福感を測定した。その結果、意味的自己知識検索が早い場合、感情制御能力が高い人は主観的幸福感が高いのに対し、感情制御能力が低い人は主観的幸福感が低かった。以上の結果から、意味的自己知識と自伝的自己知識の連結は感情制御の効果を調整する働きがあり、特に日常的に感情制御がうまくない人にとっては非適応的な影響を与えることが示唆された。

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© 2007 日本認知心理学会
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