抄録
顔の脅威印象は非常に短時間 (39ms) の内に形成される (Barら,2006).本研究は,絵画における印象の形成時間ならびに時間経過によるその変容について検討した.3つの刺激提示時間条件 (300ms/1000ms/制限なし,被験者間要因) を設定し,10の形容詞対を用いて印象評定実験を行った.その結果,「好き」,「違和感」といった印象については1000ms条件と制限なし条件の間でのみ有意な相関が見られた.また,「不思議な」には,300msと1000msの間にのみ有意な相関が見られた.その他の「静かな」,「単純な」,「恐ろしい」などの印象については300ms条件と1000ms条件の間,300ms条件と制限なし条件の間,1000ms条件と制限なし条件の間に有意な相関が見られた.以上の結果は,絵画の印象のおいても即座に決まるものと即座に決まらないものあることを示している.