日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-014
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ポスター発表
幼児と成人における意味逸脱文聴取時の事象関連電位
*鈴木 結花柴田 寛福光 優一郎小泉 政利行場 次朗萩原 裕子
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抄録

成人を対象とした事象関連電位(ERP)研究では、文脈から意味的に逸脱した単語が提示されたとき、逸脱しない単語が提示されたときと比べて、刺激提示後250-500ms付近に大きな振幅をもつ陰性電位(N400)が生じることが知られている。また、N400に続く陽性電位(LPC)が意味の適切さに関連する成分として報告されている。本研究では、成人と4歳児の意味逸脱処理を反映するERP成分を調べた。意味的に逸脱した文と逸脱していない文を聞いたときのERPを測定した結果、N400は両群で観察された。しかし、幼児の陰性電位は成人よりも振幅が大きく、頂点潜時および持続時間が長かった。幼児では左前頭野付近で大きな陰性電位がみられたが、成人において有意な半球差はみられなかった。LPCは成人でのみ見られた。これらの結果から、幼児の意味処理は成人より遅く、意味処理の頭皮分布は成人と子どもで異なることが示唆された。

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© 2007 日本認知心理学会
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