日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-015
会議情報

ポスター発表
感情予期とディスティンクションバイアス
*唐沢 かおり青山 晴美
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

Hsee & Zang(2004)は、ディスティンクションバイアスの生起について選択肢を比較評価した際の幸福感情予期の失敗によるものであることを論じている。本研究は、幸福感と同様、感情予期が意思決定に重要な役割を果たすとされている後悔に焦点を当て、ディスティンクションバイアスに与える影響を2つの実験を通して検討した。実験1では、幸福感の強さの予期では、選択肢を単独で評価した場合のみ、質的な差が影響し量的な差が影響しない一方、後悔については比較評価・単独評価にかかわらず、量的な差も予期される後悔の強さに影響することを示した。実験2では、量的・質的特性にトレードオフ関係がある選択肢について、選択・不選択時の幸福感と後悔の予期を検討し、比較評価における幸福感情予期においてのみ量的特性が影響することを示した。これらの結果はバイアス生起が予期される感情の種類に影響されることを示唆している。

著者関連情報
© 2007 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top