日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-037
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ポスター発表
逆接表現で短所も好印象に
-談話焦点が人物の好ましさに及ぼす効果-
*井関 龍太菊地 正
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抄録

文の中の従属節で述べられた内容は,主節で述べられた内容に比べて,誤りを含んでいても気づかれにくいことが知られている。このことは,従属節に焦点が当たりにくいためであると説明されてきた。本研究では,文全体の内容を参照して判断を行う必要がある場合にも同様の効果が見られるかを調べるため,逆接または順接を含む文によって紹介された人物の好ましさを評定してもらった。実験の結果,ネガティブな性格特性の場合には,逆接文の従属節の中でその特性に言及したとき(例えば,“和也は「知ったかぶりをする」が,欲がない”)に,他の条件(“和也は欲がないが,「知ったかぶりをする」”や“和也は「知ったかぶりをし」,欲がない”)に比べて,好ましさが高くなった。一方,ポジティブな性格特性(“がまん強い”など)の場合には,そのような効果は見られなかった。したがって,文全体に基づく判断でも,ネガティブ特性では焦点の効果が見られた。

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© 2007 日本認知心理学会
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