日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第5回大会
セッションID: p1-040
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ポスター発表
行為の推移からみたマイクロスリップの分類
*廣瀬 直哉
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抄録
本研究は,行為の推移という観点からマイクロスリップの表記と分類を試みたものである.マイクロスリップとは系列的な日常行為において顕著に見られる微小な修正運動であるが,これまでの研究では,行為の推移に着目した表記・分類が行なわれてこなかった.本研究では,行為の推移を記述するために,動作という基本ユニットを導入した.マイクロスリップはこの動作がスムーズに完結しない運動とみなすことができ,マイクロスリップを含む行為の推移は,完結しなかった動作と完結した動作の組み合わせで表現できる.コーヒー作成課題においてマイクロスリップを含む行為の推移パターンを収集・分類した結果,続行,反復,返戻,代替,転換の5つの基本パターンが見出された.また,それ以外のパターンとして,延期,循環,再行などが見出された.これらは,系列パターンとして明確に定義できることから,今後の研究において活用されることが期待される.
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© 2007 日本認知心理学会
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