抄録
視覚的隠喩について、2つの画像を組み合わせた場合、印象がどのように変化するかを検討した。被喩辞に相当する画像として電化製品(TV・携帯電話・ビデオカメラ)を各3種類、喩辞に相当する画像を4枚(テントウ虫・廃墟・闘技場・猫)を選出した。各画像単体と、それぞれを組み合わせた画像について、印象評定を行わせた。因子分析を行ったところ3因子が抽出され、それぞれ雰囲気因子・評判因子・理解容易性因子と命名した。因子得点を基にユークリッド距離を算出し、これを基にMDSを行うことで、各画像と組み合わせた画像の布置関係を検討した。結果は、組み合わせたが画像が2つの画像の中間に布置する傾向が見られ、喩辞として用いた画像の印象が、被喩辞の印象に影響を与える事が確認された。