日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: O3A-03
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口頭発表3A:言語・コミュニケーション
多人数会話場面でみられる同期現象の考察
*城 綾実細馬 宏通
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抄録

複数の会話参与者が同時に類似のジェスチャーを行う「同期現象」の生成過程を調べるため、互いに顔見知りである大学1回生3人1組の会話を撮影し、マイクロ分析を行った。その結果、同期はひとつのジェスチャー単位の最初から達成されるわけではなく、相手の行為をモニタリングし、行為を微細に相互調整することによって、ジェスチャーのフェーズ終点で達成されることがわかった。達成される同期がどの程度の細部をもつかによって、話題に関する知識の差が、どの程度参与者間にあるかが明らかになる。しかし知識の少ない者による同期は、単に細部の欠けた同期として終わるとは限らず、同期に欠けている要素を明らかにすることによって、他の参与者のさらなるジェスチャーを促す場合があることがわかった。

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© 2008 日本認知心理学会
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