日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: O5A-02
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口頭発表5A:記憶2
抑制方略が忘却の持続性に与える影響
*堀田 千絵川口 潤
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抄録
忘れたい過去の記憶の検索を意図的に抑止することがその後の再生成績を低下させることが知られている。本研究は、忘れたい過去の記憶から単に注意をそらすということが、検索を意図的に抑止した時と同じタイプの忘却を示すのかどうかを検討した。この問題はThink/No-Think課題(Amderson & Green, 2001)を修正した形で検討された。すなわち、意図的抑止するかわりに、忘れたい過去の記憶の想起を妨害する手続きを設定した。その結果、意図的抑止、注意妨害条件両者で直後の記憶テストでは忘却の効果が認められたが、20分後の成績では注意妨害条件のみで忘却の効果が消失した。これらの結果は、少なくとも意図的に忘れたい過去の記憶を検索することが長期忘却に必要であることを示唆している。
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© 2008 日本認知心理学会
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