日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第6回大会
セッションID: P3-04
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ポスター発表3:加齢・支援・感情
TOT現象と加齢
言語的知識の影響について
*伊集院 睦雄近藤 公久島内 晶佐藤 眞一
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キーワード: TOT, 加齢, 言語的知識
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抄録
高齢者では若年者に比べてTOT現象の頻出することが知られており,その原因としてi) 加齢により語の検索機能がうまく働かなくなるというdecrement viewと,ii) 高齢者は単に語彙が豊富なためTOT状態に陥りやすいとするincremental-knowledge viewが提唱されている.本研究ではii) に注目し,同じ高齢者でも語彙数の違いにより,TOTの生起数に差が認められるか否かを検討した.健常高齢者をWAIS IIIの単語課題素点で二群(高語彙群15名,低語彙群15名)に分け,絵(高頻度語160枚,低頻度語160枚)の命名課題を実施し,TOTの生起数を比較した結果,対象者の語彙数の多さはTOTの生成数を増加させないが,語彙数の多い対象者のみ,単語の頻度が高い場合にTOTの生成数が減少した.本結果は,高齢者でTOTが増加する現象をincremental-knowledge viewでは単純に説明できないことを示唆する.
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© 2008 日本認知心理学会
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