日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第7回大会
セッションID: O3-6
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メンタルクロック課題による心的イメージ操作の神経基盤の検討
*笹岡 貴史水原 啓暁乾 敏郎
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抄録

心的イメージ操作には,生成・変換・比較照合といった過程が含まれるが,それらに対応する神経基盤は明らかではない.そこで本研究では,時計を用いた課題を遂行中の実験協力者の脳活動をfMRIによって調べた.実験協力者は予め3Dマウスを右手で操作し,針の回転速度を学習した.課題では,まず時計の文字盤が呈示された後,消去された.実験協力者は文字盤が消えている間,最初の文字盤の針の配置から学習した速度で針を回転するイメージを作り,その後呈示された文字盤の針が正しく回転されたものか判断した.その結果,針の回転のイメージ時に左IPL,左運動前野,前補足運動野,左下前頭回(BA44)で活動が見られた.先行研究より,左IPL,運動関連領野は運動のシミュレーションを利用した心的回転に関与し,下前頭回は運動計画に関与すると考えられる.以上の結果は運動イメージが心的イメージの変換に利用されたことを示唆している.

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© 2009 日本認知心理学会
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