抄録
認知機能は、個人の全体的な健康やwell-beingの重要な指標である。また、加齢とともに認知機能が低下するということは、一般的に知られており、個人差が大きいといわれている高齢者を対象とした研究を実施するにあたり、認知機能の測定をおこなうことは、きわめて重要であるといえる。しかしながら、認知機能の測定は対面式の測定手法が多く、かつ、測定に膨大な時間を要するため、他の研究分野と関連させて検討されることが少なかった。
以上のことから、将来的には電話での測定可能性をもち、簡便に利用できると考えられる、音声刺激による認知課題を開発することには意義があると考えられる。そこで本研究では、認知機能のなかでも、抑制機能を測定する「ストループ課題」に着目し、音声刺激によるストループテストを開発した。