日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: P2-34
会議情報

ポスター発表2(感情・感性・記憶・言語)
対象物の使用経験の有無が行為文の理解に与える影響
*望月 正哉内藤 佳津雄
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本実験では,行為文の理解において,道具の使用経験が知覚的表象を活性化させるかを検討した.42名の参加者は単純な動作によって特定方向の動きが喚起されるような文を読んだあとに,異なる位置に提示された2つの線画刺激の異同判断を行った.このとき,提示文の半分は読み手が使ったことがある道具を用いた行為文(使用経験あり条件),残りの半分は使ったことがない道具を用いた行為文(使用経験なし条件)であった。異同判断の結果,使用経験あり条件では,説明された動きと一致する動きの視覚刺激(一致条件)の方が,一致しない動きの視覚刺激(不一致条件)よりも反応時間が有意に短いことが示された.しかし,使用経験なし条件では,一致条件と不一致条件で反応時間に差はみられなかった。これらの結果から,文に含まれる対象物に関する経験が,その文を読んだ時に起こる知覚的表象の活性化に影響している可能性が示唆された。
著者関連情報
© 2010 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top