日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: P3-13
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ポスター発表3(知覚・社会・動作・神経・発達)
注意の焦点外の視線方向は知覚されるか?
―サイモン効果による検討―
*徳永 智子宮谷 真人
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抄録
視線方向の知覚には空間的注意が必要であると報告されている。しかし,これを検討した課題は,ターゲットの視線や指差しの方向判断において,ディストラクタの視線または指差しが干渉するかどうか調べるものであった。そのため,ターゲットとディストラクタ両方に社会的な刺激を用いたことで,特有の効果を生みだした可能性がある。本研究では,ターゲットとディストラクタが空間表象の活性化においてのみ干渉する課題として,ターゲットの色に対応した左右のボタンを押す色判断課題を用い,ディストラクタとして呈示される視線,指差し,矢印がサイモン効果による干渉を引き起こすかどうか検討した。その結果,指差し,矢印のときは,反応すべきボタンとそれらの方向が不一致の場合に一致の場合よりも反応時間が長くなったが,視線ではこういった結果は見られなかった。よって,空間的注意を向けていない視線方向は単純な課題でも知覚されないことが示された。
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© 2010 日本認知心理学会
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