日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O4-5
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口頭発表4(動作・行為)
けん玉操作における身体と環境の知覚的カップリング
*伊藤 万利子三嶋 博之佐々木 正人
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キーワード: 探索活動, 頭部運動, 巧みさ
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抄録
本研究では、けん玉の技の一つであるふりけんの事例を通して、視覚―運動スキルを必要とする動作における姿勢調整について検討した。実験では、けん玉の熟練者4名と初心者4名にふりけんを200試行行ってもらった。ふりけん動作時の実験参加者の身体運動(頭部、膝)と玉の運動は、3次元動作解析装置によって記録された。分析によると、頭部・膝の運動ともに熟練者群のほうが初心者群よりも大きかったが、熟練者の運動のほうがより玉の運動と協調していた。特に各ふりけん試行の最終時点に注目すると、熟練者群のほうが初心者群よりも頭部運動と玉の運動のカップリングは強かったが、膝の運動と玉の運動とのカップリングの強さは両群で変わらなかった。以上の結果から、熟練者群では運動する玉に対して頭部が動的に協調するように姿勢を調整していたのに対し、初心者群では玉に対して頭部を静的に安定させた姿勢でふりけんを行っていたと考えられる。
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© 2010 日本認知心理学会
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