日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O5-1
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口頭発表5(社会・コミュニケーション)
他者視点からの適切な動作選択に関与する脳活動の検討:fMRI研究
*柴田 寛乾 敏郎
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キーワード: 他者視点, 動作選択, fMRI
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抄録

自他で物体の見えが異なるときの動作選択に関与する脳活動をfMRIにより調べた。実験協力者には、他者の要求に応じて明るさの異なる3つの円筒の中からひとつを手渡す映像を観察して、その要求に対する動作の適切さを判断するよう求めた。遮蔽物を入れることにより、他者からは円筒が2つしか見えない場面を設定した。実験協力者には他者視点から要求(どれを渡すべきか)を解釈するよう教示した。自他の視点で要求の解釈が一致しない条件(不一致>一致)では、右側頭頭頂接合部、左右下前頭回、楔前部などの活動領域が見られた。適切な動作選択に限った不一致>一致の分析では、右背外側前頭前皮質、左右側頭極などでの活動領域が見られた。以上のことは、他者の要求に応じて適切な動作を選択する際には、自己視点からの要求の解釈が基本であり、必要に応じて他者視点を取得して、自己視点で解釈した動作選択の予測を抑制する処理が行われることを示唆する。

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© 2010 日本認知心理学会
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