日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: O5-5
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口頭発表5(社会・コミュニケーション)
人形画像認知に見られる削除変化の優位性
*安藤 満代箱田 裕司北島 知佳
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抄録

画像に新たな特徴が加えられた追加変化と、画像から特徴が削除された削除変化の再認では、追加変化が有意な非対称性効果がみられていたが、情動が喚起される猫の画像の場合は、逆の削除変化が優位な効果がみられた。そこで、今回人形画像を用いて情動と非対称性の関係を調べた。大学生30名が再認実験を受け、別の大学生15名が同じ画像への印象評定を違和感共感尺度を用いて行った。その結果、人形画像では,全体的には削除優位の非対称性はみられなかったが,「足」と「顔」という特徴の再認では削除優位であった。さらに,印象評定では,削除変化が追加変化よりも一貫して「あわれみ」因子が高く,削除変化が優位な再認には,「あわれみ」という情動が喚起されることが影響していることが示唆された。変化する特徴の種類によって喚起される情動が異なる点において,人形画像は非対称的混同効果の現れ方が他の画像とは異なっていると考えられる。

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© 2010 日本認知心理学会
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