日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第8回大会
セッションID: P1-12
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ポスター発表1(感情・感性・記憶・言語)
展望的記憶課題の課題モデルの複雑さが背景課題に与える影響
*本間 涼子齊藤 智
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抄録
課題モデルとは参加者が教示を与えられたときに形成する,課題情報の知識や情報の集合であり,メンタルモデルの一種である。本研究では,課題モデルへの課題無関連情報の侵入が展望的記憶課題の遂行に与える影響を検討することを目的とした。特に,背景課題に埋め込まれた展望的記憶手がかりに反応を返すことが求められる展望的記憶課題において,背景課題への無関連情報の侵入が課題成績へ与える影響を調べた。その結果,背景課題の課題成績は低下したが,手がかり検出課題には影響が見られなかった。この結果は,展望的記憶課題の課題モデルは,展望的記憶手がかり検出課題と背景課題のそれぞれが独立した構造を持つことを示唆する。つまり,背景課題の課題モデルに無関連情報があることで背景課題の成績が低下したが,手がかり検出課題の課題モデルには無関連情報はなく,それによる干渉がなかったと考えられる。
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© 2010 日本認知心理学会
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