日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: P4-25
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ポスター発表4(発達・加齢・動作・行為・視覚・聴覚)
陰影知覚の発達的変化
左上方光源優位性の観点から
*金城 光宇田 彩帆
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抄録
左上方光源優位性とは、人は真上よりも左へ30度から60度に傾いた位置からの光を好み、優先的に知覚される特性である。我々は、日常生活において「光源は真上にある」と無意識に認識する上方光源の制約から、素早く奥行きを知覚することができると言われているが、特に左上方光源の場合に、より奥行きを知覚しやすいという報告がある。しかし、その詳細は明らかになっていない。本研究では、左上方光源優位性は存在するのか、また、陰影知覚の発達過程のどの段階で優位性が表れるのか検証する。本調査は4種類のテストを、幼児30名、小学生68名、大学生48名の計146名を対象として行った。そのうち、図形呈示テストでは、上方・左上方・右上方・側方を光源位置とした白黒グラデーションの複数の円の凹凸を判断させた。結果、陰影知覚における上方・左上方光源優位性は幼児にはなく、低学年から認められ、高学年は大学生とほぼ同じ成績となることがわかった。
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© 2011 日本認知心理学会
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