日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: P5-7
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ポスター発表5(記憶2)
高不安者のネガティブ語に対する潜在記憶バイアスの検討
インターバルの効果
*上田 紋佳寺澤 孝文
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キーワード: 不安, 潜在記憶, 感情
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抄録
不安障害患者は,中性刺激と比較して脅威刺激の記憶成績が高くなるという記憶バイアスが示すことが多くの研究により報告されている。不安障害の症状の特徴より,意識的な想起を伴わない記憶である潜在記憶に不安障害患者独自の記憶のプロセスが反映されている可能性が高いと考えられる。しかしながら,潜在記憶バイアス研究では結果が一貫していない(e.g., Mitte, 2008)。その原因として,本研究では潜在記憶バイアスの持続性を考えた。つまり,インターバルが長いほど高不安者と低不安者の個人差が明確になることが予想された。そこで,学習とテストの間に1週間の遅延を挿入し,高不安者と低不安者のネガティブ語と中性語に対する潜在記憶を検討した。実験の結果,全参加者を分析対象とし一般的な傾向を検討したところ潜在記憶の持続性が検出されたが,感情の効果は認められなかった。また,高不安者と低不安者で潜在記憶バイアスの持続性に違いが認められなかった。
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© 2011 日本認知心理学会
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