抄録
違反の生起要因の一つに,違反への潜在的態度があると考えられる。安達・臼井(2010)は,その測定手法として潜在的連合テスト(Implicit Association Test:IAT)に着目し,看護業務における違反への潜在的態度を測定するIATの作成を試みた。同IATの妥当性と信頼性を検討するため,本研究では,リスクマネジャーを務めている医療従事者51名に同IATを実施した。その結果,IATのブロック間の反応時間と誤答数の差からツールとしての構成概念妥当性が示された。また,試行間のばらつきから信頼性(内的一貫性)が示された。リスクマネジャー任用以外の安全に関わる委員会経験の有無で,IATを得点化したIAT得点を比較した。看護師の場合,委員会経験がある群はない群よりIAT得点が高く,違反を不快だとより強く感じていることが示唆された。既知集団を用いた検討からも,妥当性は支持された。