日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: O5-1
会議情報

口頭発表5(記憶2)
児童のワーキングメモリの発達と学業成績
*坪見 博之渡邊 克巳
著者情報
キーワード: 記憶, 発達, 児童
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

日常生活において高次認知活動を遂行するためには、目標行動に必要な情報をアクティブに短時間記憶することが必要である。この記憶機能はワーキングメモリと言われるが、保持できる容量は物体3個程度であり、保持機能に厳しい制約がある。外界には目標行動に不必要な情報も存在するので、効率的な行動達成のためには、妨害情報を排除しながら現在必要な情報のみを保持するようコントロールすることが必要となる。本研究では、これらのワーキングメモリ機能の発達過程を横断的に検討した。その結果、保持に関するワーキングメモリ容量は10才で、コントロール機能は12才で、成人と同様にまで発達することが明らかになった。また、単純な保持ではなく、コントロール機能が高い児童ほど学業成績も高いという正の相関を持つことも示された。

著者関連情報
© 2011 日本認知心理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top