抄録
Mead & Ball (2007) は,調性を変化させ,BGM文脈依存効果を見いだした。BGM文脈依存効果を気分が媒介すると結論した。けれども (1) 楽曲が1種類のみ,(2) 同一楽曲の調性を変化させるという不自然な操作,(3) 文脈変化と気分変化が分離できていないことが問題である。本研究はこの点を改善し,再検討した。学習時と同じ楽曲でテストするSS条件,学習時と楽曲が異り調性が同じDS条件,楽曲と調性の両方が異なるDD条件を構成した。各群には,大学生を15名ずつ割り当てた。24項目(連想価90以上の2音節綴り)を5秒/項目で提示し,各語に対して語連想を方向づけた。5分間の遅延自由再生において,SS条件はDD条件よりも有意に高い再生率を示し,SS条件とDS条件,およびDS条件とDD条件の間に有意な差はなかった。本研究結果は,Mead & Ball (2007)の結論を支持しない。