日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: O2-1
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口頭発表2(言語・推論・意思決定)
潜在ヒントによる洞察とメタ認知による妨害効果
*服部 雅史織田 涼
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抄録
よいアイデアは突然やってくるように感じられる.われわれの認知過程の多くは潜在的(無意識的)であるが,潜在認知は洞察問題解決においても重要な役割を果たしている.一方,メタ認知も創造性を高めるために有効であることが知られている.しかし,両者の相互作用についてはほとんどわかっていない.本研究は,意識的に知覚できないヒントに洞察問題解決を促進する効果があるかどうか,さらに,メタ認知的コントロールを促す教示が,この効果とどのように相互作用するかを調べた.146人の参加者が,サブリミナルヒント映像提示の有無,およびメタ認知教示の有無を掛け合わせた4条件のうちの1つに割り当てられ,9点問題に取り組んだ.実験の結果,サブリミナル映像もメタ認知教示も,単独では解決率を上昇させたが,両者が組み合わさると効果はほとんどなくなった.この結果は,メタ認知的コントロールがモニタリングなしで働くことを示唆している.
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© 2011 日本認知心理学会
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