日本認知心理学会発表論文集
日本認知心理学会第9回大会
セッションID: P3-3
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ポスター発表3(感情・感性)
脅威刺激からの注意解放の遅延における形態特徴の重要性
*井上 和哉佐越 祥子菊地 正
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キーワード: 脅威刺激, 注意の解放, 形態
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抄録
危険をもたらす可能性のある刺激(脅威刺激)に注意を向けることは,その後に提示される中立刺激に対する反応を遅延させる。本研究では,脅威刺激からの注意解放の遅延が刺激の形態とカテゴリのどちらによって引き起こされるのかを検討した。画面中央に1枚の画像が提示され,続いて画像の左右にPまたはXの文字が提示された。画像は,脅威刺激(包丁),脅威刺激と形態が類似した非脅威刺激(くし),脅威刺激と形態が類似していない非脅威刺激(コンピュータのマウス)のいずれかであった。実験参加者は,提示された文字が何であるかを報告することが求められた。文字に対する反応時間は,脅威刺激と形態が類似していない非脅威刺激が提示された条件と比べて,脅威刺激及び脅威刺激と形態が類似した非脅威刺激が提示された条件で長かった。これらの結果は,脅威刺激からの注意解放の遅延が形態処理によって引き起こされることを示唆する。
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© 2011 日本認知心理学会
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